熊本教員公務災害認定訴訟の第3回口頭弁論

2018年3月5日,熊本教員公務災害認定訴訟の第3回口頭弁論が熊本地方裁判所で行われました。

本件は,熊本県内の小学校に教諭として勤務していた原告が,平成23年に勤務中に脳幹部出血を発症して全介護を要する重篤な後遺障害を負ったため,地方公務員災害補償基金熊本県支部長に対して公務災害認定請求を行ったところ,これを公務災害と認めない旨の処分をしたため,その処分の取り消しを求める訴訟です。

原告の勤務状況をみると,発症前6か月間は長時間勤務に従事しており,とりわけ最後の1か月間の時間外勤務は150時間を超えていました。
その過重な長時間勤務は,原告に重大な負荷をもたらし,病気を発症させるのに十分なものでした。

これに対して,被告は,原告の小学校は児童の指導にゆとりがあったなどと主張して,原告の長時間勤務を否定しています。

しかしながら,原告が使用していたノートパソコンのシステムログなどによれば,原告が自宅に仕事を持ち帰り,深夜まであるいは早朝から毎日のように資料作成に追われていたことが分かります。

全国の小中学校の教員が,原告のような過重な長時間勤務を余儀なくされている実態は,文科省の実態調査でも明らかにされています。

平成28年度の調査によれば,中学校教諭の1.7人に1人,小学校教諭の3人に1人が「過労死ライン」である月80時間を超える時間外勤務を強いられていることが明らかになりました。

今や,学校は身を削る命がけの職場になっています。

このように,本件訴訟には,今の教育現場の勤務実態を明らかにし,それを是正するという意義があります。

この事件は,熊本県教職員組合の支援を受けて闘っています。
原告の公務災害認定を勝ち取るまで頑張ります!

次回口頭弁論期日は、2018年5月9日(水)14:00~です。