第47回全国公害被害者総行動に参加しました。

2022年6月8日から9日までの2日間にわたり、東京で行われた全国公害被害者総行動に参加してきました。私はノーモア・ミナマタ第2次国家賠償等請求訴訟弁護団として参加しました。

6月8日は、午前11時から山口壯環境大臣との交渉が行われました。私は参加できませんでしたが、水俣病被害者の原告から被害の訴えを環境大臣に聞いていただきました。

その後、午後1時30分から、水俣病問題を担当している環境省の特殊疾病対策室との交渉を行いました。
今なお数多くの水俣病の被害者が何らの救済も受けられずに放置されている現状を解決するためには、水俣病被害の全容を解明するための不知火海沿岸住民に対する健康調査が不可欠です。
そこで、環境省に対して、健康調査の早急な実施や水俣病問題の早期解決を求める要望書を提出しました。

特殊疾病対策室長に要請書を手渡す森正直原告団長ら

その後2時間ほど、特殊疾病対策室の室長らと健康調査の実施などについて意見交換しましたが、海老名英治室長は「要請書に書かれていることについてはしっかり受け止めていきたい。水俣病問題の解決に向けて取り組んでいきたい。環境省の原点は水俣病であると認識して、できることをしていきたい。」と述べるものの、健康調査に関する具体的な実施方法やスケジュールについては明らかにしませんでした。

実のない答弁を繰り返した海老名英治特殊疾病対策室長

国には水俣病被害の拡大について法的責任があることが最高裁判所の判決で確定しています。すべての水俣病被害者の救済に向けて、健康調査等の実施を早急に行うよう、これからも要請していきたいと思います。

夕方には場所を変えて、全国の公害被害者との交流集会が実施されました。
冒頭に、ノーモア・ミナマタ被害者・弁護団全国連絡会議の代表委員である岩﨑明男さんから開会のあいさつがありました。

開会あいさつをする岩﨑明男代表委員

その後、ノーモア・ミナマタ第2次熊本訴訟の原告団長である森正直さんから、被害の訴えをしていただきました。

ノーモア・ミナマタ訴訟の報告と被害の訴えをする森正直原告団長

翌日6月9日は早朝から、水俣病の原因企業であるチッソ株式会社(東京)の前で、水俣病問題の早期解決を求める要求行動を行いました。

チッソ本社前で水俣病問題の全面解決を求める森正直原告団長
チッソ交渉を報告する園田昭人弁護団長

その後、国会議員会館に移動し、「水俣病被害者と歩む国会議員連絡会」の国会議員の先生方と懇談を行うことができました。
同連絡会の事務局長の野間健衆議院議員には、議員会館の入口で患者のみなさんを温かく迎え入れていただきました。
また、懇談には同連絡会会長の篠原孝衆議院議員をはじめとして11名の国会議員の先生方にご参加いただき、原告から被害の訴えなどを聞いていただきました。本当にありがとうございました。

国会議員連絡会との懇談の様子
国会議員連絡会へ要請書を手渡す岩﨑明男さん

来年には、ノーモア・ミナマタ第2次訴訟の判決が予定されています。
国会議員の先生方の力をお借りしながら、水俣病問題の全面解決に向けて努力し続けたいと思います。